大腸摘出手術のこと(2)

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2つの術式 IAAとIACA

それまでも、手術することが確実だということはもちろん分かってはいましたし、今はそれを前提として入院しているのですが、それでもどこか他人事のようなところがありました。しかし主治医から具体的な術式の説明を受けると、これは大変なことになったなと、いまさら実感が湧き始め、この手術についてさらに詳しく調べてみることにしました。ただし、調べるといっても、私は専門家ではないし、そのうえめんどくさがりなので、ネットで検索するくらいしかしません。なので、以下に記載するほとんどのことは、ネット上の他からの引用に過ぎないので、無駄な情報かもしれないし、またきちんとウラを取ったものでもないので、もしかすると誤りがあるかもしれません。ですが、他の情報に触れるきっかけにしてもらえるかもしれないという期待を込めて、それと、私自身の備忘と確認のために、潰瘍性大腸炎の大腸全摘手術について少し詳しく書いてみることにします。

潰瘍性大腸炎から大腸全摘手術となった場合に最も多く採用される術式は、主にIAAとIACAの二通りがあります。この2つ以外の術式も(永久人工肛門、IRAなど)ありますし、また腹腔鏡下で行う病院もあり、適応によってそういった術式が採られる場合もあるようですが、最初にあげた2つのうちのいずれかを、開腹して行うというのが、現在最も多く行われている術式です。

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これら二つの術式については、こちらのサイト(→『踊れ!難病患者』)に詳しく解説されていましたので、そのまま引用させていただきます(上図はUC-SAN作成)。

外科治療は「大腸全部を摘出するオペ」をします。UCは炎症のある大腸の一部だけを切り取っても、切った所から炎症がまた始まるので、手術する場合は大腸全部を切るしかありません(通常は大腸以外には炎症は出ません)。さいわい大腸は無くても生きて行けるので可能なオペです。

直腸粘膜切除・回腸嚢肛門吻合術:IAA

直腸の代わりに便を溜めるJポーチ(嚢)を小腸で作り、肛門に繋ぎます。肛門管吻合術では残ってしまう直腸粘膜も全て切除します。そのため、粘膜の再燃・癌化の危険性がなくなります。直腸粘膜を全て取るためにレーザーメスで焼き切るのですが、熟練した技術が必要な上に縫合不全や感染症などのトラブルも発生しやすいので、安全の為に2期か3期に分割して手術をおこないます。兵庫医大と三重大はハーモニクスと呼ばれる超音波メスで執刀するので1期手術をする事が可能です。(症状や副作用によっては2期や3期になることもあります。)IAAはIACAに比べて術後の肛門の回復が遅く、トイレ回数や便回数が多いと言われています。が、漏れない人は漏れないようで、術式の差より個人差の方が大きいようです。IAAを受ける場合は兵庫か三重で受けるのがお薦めです。(命に関わる場合は別です)

回腸嚢肛門管吻合術:IACA

直腸の代わりに便を溜めるJポーチ(嚢)を小腸で作り、肛門管に繋ぎます。1回のオペで終わる事ができます。ほんの少し(1-2cm程)直腸粘膜が残り、そこが再燃したり癌化する可能性が残ります。粘膜を完全に除去する回腸嚢肛門吻合術よりも「術後の排便回数・漏便頻度が少ない」と言われています。が、漏れる人は漏れるようで、術式による差はそれ程無く、個人差の方が大きいようです。IACAの一番の権威は横浜市民病院や横浜市立大センター病院です。ここなら、かなりギリギリまで粘膜が取れ、術後の再燃や癌化もあまり無いようです。IACAを受けるのであれば横浜で受ける事をお薦めします。(命に関わる場合は別です)

―――引用元:『踊れ!難病患者』潰瘍性大腸炎の外科治療