ふたたび大腸内視鏡検査

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これまでで一番つらかった大腸カメラ

一昨日から検査入院がはじまり、早速昨日は大腸内視鏡検査でした。今回の検査入院は、7月の内視鏡検査で異型細胞が見つかったことが発端となったわけですが、入院中に行ういろいろな検査のなかでも、この内視鏡検査は、異型細胞の状態や病状を判断するうえで最も重要です。

今回は、7月の時と違って、ズーム撮影が可能なカメラを使用し、異型細胞の存在が疑われる場所を重点的に30箇所近くの組織採取を行いました。ですので、検査は2時間程度かかり、検査中、痛みも相当あり、かなりしんどかったです。今まで大腸内視鏡検査は何度も受け、その度にしんどい思いをしてきましたが、今回の辛さは歴代トップクラスのものでした。大腸粘膜には痛覚がないので、カメラが通ろうが、組織を切り取ろうが痛みが起こるはずはないのですが、特定の場所をカメラが通るときに鈍痛、疼痛、膨満感が混ぜ合わさった感覚がお腹全体を襲います。検査中に「大きくゆっくり呼吸して。リラックスしてください」などと何度も言われましたが、とてもそんな余裕はなく、ギリギリ歯を噛み締め、ウンウン呻きながら、とにかく早く終わってくれとひたすら念じて痛みをこらえていました。

この病院は内視鏡検査室が並んで何部屋もあります。両隣の部屋でも同じ検査をやっているのが、聞こえてくる声で分かります。となりの患者は、検査担当の医師が途中で交代したのが気に食わないのか、さっきの先生を呼んで来いとか、痛いからもう終わらせろとか、盛んに怒って訴えているようです。先生も、患者のために一生懸命検査をしているわけですから、怒られる筋合いはないのですが、怒りを感じるほど痛くてしょうがないという、その患者の気持ちはよく分かります。

内視鏡検査は人によっては大して痛みを感じないそうですし、病状、その時の患者の体調、検査を行う先生の熟達度などによって、苦痛の度合いは随分と違うようです。今回検査を行った先生は、あとで聞いたことですが、上手なほうらしいので、私はとくに痛みを感じやすいタイプなのかもしれません。私は、胃カメラはさほど苦痛を感じないのですが、大腸は、今回は楽に終わった、ということがこれまで一度もありません。

今も昔もつらさは変わらない

日本は内視鏡の技術が世界で最も発達しているのだそうです。おそらく、それは内視鏡を使用する検査や手術の技術と、内視鏡そのものの技術革新、その両方の面で優れているということなのだろうと思います。腹腔鏡手術の目覚ましい進歩については、よく話題になりますよね。また、カメラもいろいろな種類があって、先述のようにズーム撮影が可能なものや、ガン細胞を見えやすくする特殊な光で撮影するもの(私も数週間後にこのカメラでの検査が予定されています)などもあるようで、確かに、量販店に並んでいる一般のデジカメの性能が日進月歩なわけですから、内視鏡の進化も至極当然です。

それでは、そういった進化に伴って、患者の受ける苦痛が大幅に減っているかといえば、どうでしょう。さほどでもないというのが多くの人が感じるところではないでしょうか。「今は昔より機械がよくなっているから」という言葉を、検査をする度に耳にしましたが、私の印象では、十数年前に受けたときとくらべて、その言葉と同じ程度に苦痛が改善されているとは言い難く、大腸カメラにしろ胃カメラにしろ相変わらず内視鏡検査は辛いものです。

内視鏡のメーカーは、製品づくりにフィードバックさせるデータや意見のほとんどを、医師から得ます。その中に、患者の意見が反映されている部分も少しはあるかもしれませんが、まずは、解析度の高い画像が撮影できるとか、操作し易いとか、そういった検査する側の要求が優先されるはずです。一方で内視鏡検査で患者が感じる苦痛というのは、それが直ちに患者の病状を悪化させたり死亡させたりするものではないので、内視鏡を開発する上でそういった患者の苦痛を軽減することは後回しにする、ということが、あくまで憶測ですが、ひょっとしたらあるのかもしれません。

将来的に、内視鏡検査が患者にとってもっと楽なものになるか、あるいはもっと苦痛の少ない検査方法ができないものでしょうか。たとえそれが検査精度の向上や医師にとってのメリットには寄与しないものであったとしても、患者が検査を敬遠して病気の発見を遅らせるという事態を減らすことにはつながると思うのですが。